::失敗の本質 ~日本軍の組織論的研究1

Kawazunです。

本日で二回目の投稿となりますが、今回は書評として”失敗の本質”を紹介したいと思います。この本は第二次世界大戦の各戦場を分析して、日本的組織(儒教的組織?)の問題点を洗いだしていきます。私は知り合いからの紹介でこの本を知ったのですが、初めて読んだ時はこの本の歴史的価値の高さ&時代を超えて訴えかけてくるものの大きさに感動した記憶があります。

 

この本では、第二次世界大戦における下記戦場について分析しています。

1. ノモンハン事変(これは開戦前)

2. ミッドウェー海戦(今度映画化されますね)

3. ガダルカナル作戦(これも何度も映画化されているはずです)

4. インパール作戦

5. レイテ海戦

6. 沖縄戦

 

上記の戦いを分析する中で帰納的に下記が問題点と浮上する訳ですが、これが実に日本らしい!と思います。そして同じ日本人として心情的にわかってしまうというかこういう行動を取ってしまうことがわかるんです。

[組織的問題点]:

1. 曖昧な戦略目的

2.短期決戦の戦略志向

3.狭くて進化のない戦略オプション

4.アンバランスな戦闘技術体系

5.人的ネットワーク偏重の組織構造

6.属人的な組織の統合

7. 学習を軽視した組織

8. プロセスや動機を軽視した評価

 

1. 曖昧な戦略目的

-->これは日本人の文化的な背景が大きいと思うんですが、”明確さを避ける”という考え方があると思います。これは”落とし所を探る”とか”白黒つけない”などの表現にもあるように明確さを避けて曖昧な落とし所を探る傾向はある思います。最近ある仕事で発生したロスコストの責任区分を明確にして処理するという案件がありました。この際に実際はある部門の責任比率が圧倒的に高いのに関係三部署で33%ずつもつことを落とし所にして合意するということがありました。これを明確にしないために同じ問題の再発を防ごうという組織的なインセンティブが発生してせずに再発を繰り返してしまう。。。という問題もあると思うのですが。。。。。

 

-->また一方で臨機応変な対応を好むということもあると思います。日本人は演繹的な考え方よりも帰納的な考え方を好む民族と考えています。なので演繹的に大方針を決めて動いていくよりも”まず動き出して動いたことによって得られる一次情報を元に方針/目的を微調整していく”ということを好むと思うんです。この動きを取ろうと考えた時に明確な大方針/目的というのは邪魔になる訳です。この傾向は仕事でも頻繁に見かけるのですが、複数の部署を横断した大きな案件を動かすという時にそれぞれの部署がまず独自に動き出す-->随時情報共有の上、方向性を微調整して最後には各部署で合意できる落とし所に持っていくということが多いと思います。このやり方は全く状況がわからない新しいことに取り組む時には効果的と思うのですが、ある程度経験があって未来が見えるという案件に対して非効率極まりないです。

 

自分の考えをダラダラと書いていますが、明日は残りの7項目について、引き続き書いて行こうと思います。この意見は違う!という点があればフィードバックを頂けたらと思います。宜しくお願いします致します。